2013年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

瞬!ワード

« 『こうして私は世界No.2セールスウーマンになった ―「強運」と「営業力」を身につける本―』和田裕美著、ダイヤモンド社 | トップページ | 「ブロガー名刺」届きました! »

2008年12月30日 (火)

『投資戦略の発想法2008』木村剛著、ナレッジフォア

目次
はじめに 日本で資産運用するのは難しい?
第1部 準備編―これができなければ投資家失格
第2部 理論編―財産形成のために知っておきたい投資理論
第3部 戦略編―絶対に負けない投資戦略
第4部 戦術編―最小限の手間でできる財産防衛術

『投資戦略の発想法2008』は、2007/12月刊。
最初は、『投資戦略の発想法』(講談社、2001/2月)、続いて、『最新版 投資戦略の発想法』(アスコム、2005/8月)が出版され、それから更に改訂されて本書の刊行です。

「まえがき」には、「(前略) だからこそ、投資をはじめようと思っている方々に、是非この本を一読していただきたいと思っています。デイトレーディングで大損をして、株式投資や外貨投資が大嫌いになってしまう前に、この本を読んで、まっとうな『投資戦略の発想法』を身につけていただきたいと念じているのです」とあります。
けっこう厚めのハードカバーですが、一応、投資の入門書ということなので、読んでみました。

木村さんは、「5分割ポートフォリオ」を提案しています。
もともと投資理論の専門書には、
(1)国内株式、(2)国内債券、(3)外国株式、(4)外国債券、(5)その他、という5分割の考え方が解説されていましたが、現実の金融商品では流動性が低いものが少なくないなどの理由で、個人投資家がこれを実践するのは難しかろうと考えています。そこで、木村さんは、財産を、
 (1)銀行預金(=生活防衛資金)
 (2)外貨MMF(または、外国為替証拠金取引=FX)
 (3)日本株式
 (4)外国ETF
 (5)日本国債
の5つカテゴリーでポートフォリオを作るのがよいと提案しています。

”生活防衛資金”とは、木村さんの造語ですが、投資を始める前に、まず、蓄えておかなければならない、キャッシュのことを言います。投資をするためには、投資に回したお金は長期で運用するのだから、その間、何が起こっても(たとえ会社が倒産しようとも)生活が守れるような投資戦略をとるべきだ、としています。その最悪のシナリオの場合でも、生活していける”生活防衛資金”を持っておけば、心に余裕をもって投資を行うことができるからです。どのくらいの額が、生活防衛資金として必要なのでしょうか。できれば2年間、少なくとも1年間生活できるだけのキャッシュを預金で持っておくことが不可欠とのこと。当たり前の話ですが、1ヶ月の生活費×24か月分のキャッシュをまず貯めなければいけないのです。これは、給与天引きなどの積み立てなどで貯めていくことになるでしょうが、この生活防衛資金を早くためるためには、月々の積立額を大きくすることも(すなわち、収入を大きくすることも)大事ですが、見落としがちなのは1ヶ月の生活費を抑えること、すなわち節約生活で支出を抑えることでも、生活防衛資金を早く貯めることができるとしています。

節約は二重の意味で財産形成の近道になります。節約自体の効果によって投資効率を上げることができるうえに、必要な生活防衛資金のハードルを下げることができるからです。このレバレッジの効果がじつに大きいのです。このレバレッジ効果を上回る投資手法は、世界中のどこにも存在しません。(p83)

個人投資家にとっての資産運用は、現在の生活防衛資金を守りながら将来の生活防衛資金を確保するために行うものです。現在の生活防衛資金を、将来の生活防衛資金を稼ぐための投資に振り向けてはなりません。そんなことをしていると、投資をリスクにさらすのみならず、自分の人生をリスクにさらすことになります。(p84)

とにかく、まず、生活防衛資金なくしては、投資うんぬんは早いとのこと。木村さんは、このあたりはすごく手堅いというか堅実です。(でも2年分の生活費(2年分の年収ではないです、そこまでは求められていません)を預金で用意しないと投資を始めてはならない、と言われると、ちょっとつらい、かな。)

アセットアロケーションについては、次のように述べています。

資産を振り分ける時に、預金を除いたポートフォリオの内訳を、外貨MMFに3割、外国ETFに1割、日本株式に4割、日本国債に2割、などというふうに決めていけばいいのです。
このように投資する対象のカテゴリーを決定することを、アセットアロケーションといいます
プロフェッショナルの間では、投資のパフォーマンスを決定する要因は、このアセット・アロケーションに尽きると言われています。論者によっては、投資の8割から9割の出来を決定してしまうとさえ言っています。(中略)
つまり、デイトレーディングの技術を磨くよりアセット・アロケーションを勉強した方が何十倍も有益なのです。個々の銘柄選択や投資のタイミングに頭を悩ますよりも、アセット・アロケーションを決めることに時間を割くべきだということになるのです。(p207)

外貨資産を持つことの重要性については、

生活防衛資金を預金で確保した後に余裕資金ができたら、まずは外貨投資を検討してみていただきたいと思います。(中略)
外貨投資には為替リスクがあります。円高になったら、金利分が目減りしたり、元本で損をしてしまいます。(中略)
それでも、私は資産の一部をヘッジ目的と認識したうえで、外貨をポートフォリオの中に持つことをお勧めします。なぜなら、日本株式も日本国債もヘッジできないリスクに対しては、外貨投資が有効だからです。 そのリスクは、日本経済が悪くなるリスクです。(中略)
そのときは、日本の通貨である円は相当弱くなります。逆にドルやユーロの外貨価値が上がっているはずです。そういうときには、外貨MMFや外国為替証拠金取引があなたのポートフォリオの救世主になってくれるのです。
ですから外貨でもうけようという気持ちではなくて、日本の調子が悪くなった時のための保険と考えて資産の一部を外貨資産で持つことを考えていただきたいのです。(p209)

金融商品を選ぶ際には、
 (1)コスト(最低限度にコントロールする―これは投資戦略の基本)
 (2)単純さ(複雑な素人には理解できない商品はさけるべき)
 (3)流動性(すなわち換金性)
に注意せよ、とのこと。

この本では、外国債券や外国株式は、流動性が低いということから、意図的にはずした、としています。木村さんのスタンスの一つに、流動性の重視があります。

「5分割ポートフォリオ」は、詳しく説明されていますが、ここではちょっと省略します。この本で、もう1つ目を引いたのが、木村さんが株式投信を勧めていないこと(個別株式を勧めている)、があるのでこのあたりを見てみたいとおもいます。投信(投資信託)は、何に投資するかで、株式が中心だったり、債券が中心だったり、折衷型(バランス型)だったりいろいろありますが、投資信託を、個人投資家に勧める書籍はたくさんあるように思います。でも、投信(の中でインデックス・ファンド以外の、通常のアクティブ・ファンド)は、やや複雑な(不透明な)金融商品であることと、株を売買するのと同程度のリスクの割にリターンが低い(コストが高いことも一因)、と指摘しています。

ファイナンシャル・プランナーも「個人投資家の運用は投信に限る」と主張していますが、彼らの主張は本当に正しいのでしょうか、木村さんは懐疑的です。多くの投信会社は、販売のほとんどを証券会社に頼っている実態があります。 証券会社による販売が「主」で、投信会社の運用は「従」――これが、日本における投信ビジネスの実態です。大量設定・大量販売がその典型例と言えます。

投信に代わって、個別株式を勧めることに関しては、次のように書いています。

個人投資家ができる投資手法は、2つ。
 (1)コストをかけて素晴らしい投資信託を見つける
 (2)投信を買わずに個別株式を買う
のうち、いずれかということになります。
本当は、パフォーマンスも、投資哲学も、管理面も素晴らしい投信をいくつかお勧めしたいところなのですが、とりあえずこの本では、個別株式を買う方を推奨したいと思います。株式を直接買っていれば、良いファンドを選ぶのに苦労したり、他の投資家の解約行動に影響を受けるという心配はありませんから。 個別株式の選別がわずらわしい人は、東証株価指数のインデックス・ファンドのうち、コストの安い株式投信を買いましょう。もしくは、日本株式のETFを購入しましょう。(p244)

個別株式を勧めているのですが、インデックス・ファンドや日本株式のETFで代用してもよいと言っています。(私なら、「個別株式の選別がわずらわしい人」に該当しそうなので、そうしてしまいそうです。)もう少し、木村さんの個別株式投資についてみてみたいと思います。

私は、投資信託とはあなたに代わって株を運用してくれるファンド・マネージャーにお金を払って雇うようなものだと述べました。それにくらべて、彼らの運用成績がすべてのケースにおいて満足できるものではないということもわかりました。それなら、かれらに任せず自分で株式ポートフォリオを作って運用してみてはどうでしょうか。
先ほどリスクと銘柄数の関係についてご説明しましたが、分散投資をして銘柄の数を増やせば増やすほどポートフォリオのリスクは減るけれども、おおむね20銘柄より増やしてもリスクはほとんど変わらないという計算になるのです。(中略)
「5分割ポートフォリオ」で経済指標の読み方にも慣れ、個別株に関する相場観ができてきたら、次の段階として日本株を20銘柄に分散投資することをお勧めします。(中略)
だから20銘柄については、すぶに潰れるような企業でなければ、あなたの好きなものを選べばいいと思います。本当は、業界で分け、商品やサービスが異なる銘柄を選んだ方が、分散効果を最大限に生かすためには好ましいのですけれども……。(中略)
いずれにしても、1つの銘柄への投資を5%以下にしておけば、その銘柄が50%下落してもポートフォリオ全体への影響は2.5%のダウンですみます。(p255、p256)

20銘柄に分散投資すれば、リスク軽減できることはわかりましたが、その一方で、その個別株式の購入にはかなりの資金が必要なのではないかと懸念してしまいますが、それに対しては次のように応えています。

いきなり20銘柄を変えなくても、すこしずつ買えばいいのです。できる限り複数の株をタイミングを分割して買いましょう。5回、10回に分けて買うくらいの気持ちで買いましょう。そのために多少手数料が増えてもあまり気にしてはいけません。分散の効果を自分の味方につけるためだと割り切って支払うべきです。
いはま値がさ株ばかりでなく株価の安い銘柄もありますし、値がさ株でも売買単位を引き下げている銘柄が増えてきているので、以前より少ない資金で買えるようになっています。
証券会社によっては単位株の10分の1で買えるミニ株投資がありますし、月に1万円程度から株式累積投資(いわゆる「るいとう」)をサービスとして提供している証券会社もあります。
株式累積投資はいわゆるドル・コスト平均法という手法にあたります。株を定期的に同じ額だけ買う投資手法です。毎月1万円以上、1000円単位の少額で買い付けていくことができます。個人投資家などの少額資金による株式投資の一つとして1993年に創設されました。
多少コストは高くつきますが、タイミングに関係なく、株価が高いときには少ない株数を買う結果になるので、買いコストを限りなく平均化することができるわけです。タイミングを分散させることで、価格変動リスクを分散する効果があります。ピーター・リンチ氏のような偉大なファンド・マネージャーからも非常に評価が高い投資法です。(p259)

株を買うタイミングを分けて買う、ことで時間分散をはかる。また、安い銘柄の株もあるし、ミニ株投資という手もある、また、「るいとう」では月1万円から始められ、ドル・コスト平均法もつかうことになる。これなら、個別株投資もできるでしょう、言っています。また、銘柄選びで困ったら、自分がいま転職しなければならない立場になったらどこの会社に転職したいかを考えて、そうして選んだ会社が、あなたが買うべき株の銘柄である、とも言っています。個別株投資、できそうでしょうか? 自分には、まだ、ちょっと、という感じがします。木村さんは、そういう人に対してこう応えてます

最後に一言。 個別株を選ぶプロセスやわずらわしさが嫌な人は、インデックス・ファンドもしくはETFを買いましょう。コストの安い良心的なインデックス・ファンドやETFを長期的に持ち続けるのです。おおくの個人投資家にとてては、それだけで十分です。自分のスタイルに合わせるようにしてください。

結局、ここに帰ってきました。要は、木村さんが言いたいのは、巷で華々しく宣伝している投信(=アクティブ・ファンド)を買うくらいなら、個別株を買え、ということなのでしょうね。ミニ株投資や「るいとう」も少し勉強してみないといけないとは思いますが、現在の私の場合は、「5分割ポートフォリオ」の(3)国内株式の代わりに、「インデックス・ファンドもしくはETF」、当面はこれで行きたいと考えます。

まとめ

内容が多いので、十分にまとめきれませんが、自分が特に興味を持った所を中心に書いてみました。1冊読み応えありますが、投資の入門書の1冊に加えてもいい本、だと思います。ぜひ、ご一読を。

投資戦略の発想法〈2008〉
ナレッジフォア
発売日:2007-12
おすすめ度:4.0

« 『こうして私は世界No.2セールスウーマンになった ―「強運」と「営業力」を身につける本―』和田裕美著、ダイヤモンド社 | トップページ | 「ブロガー名刺」届きました! »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

経済・お金・投資」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/517821/43579035

この記事へのトラックバック一覧です: 『投資戦略の発想法2008』木村剛著、ナレッジフォア:

» 2009/01/05用銘柄 [スイングトレード向け、明日買う株]
以下、1月5日(大発会)用の情報です。<<メルマガ『スイングトレード向け、明日買う株、売る株』の抜粋版>>▲▲買い:3種移動平均線GC▲▲以下のテクニカル指標の組み合わせです。・75日、25日、5日の移動平均線の同時ゴールデンクロス【8334:群馬銀行】【6211:倉敷機械】【1941:中電工】▲▲買い:スローストキャスティクス+RSI▲▲以下のテクニカル指標の組み合わせです。・スローストキャスティクスが25以下でのゴールデンクロス・RSIが20%以下【5809:タツタ電線】...... [続きを読む]

« 『こうして私は世界No.2セールスウーマンになった ―「強運」と「営業力」を身につける本―』和田裕美著、ダイヤモンド社 | トップページ | 「ブロガー名刺」届きました! »

Chabo!

  • Chabo!
    Chabo!(チャボ)- 本で、もっと、世界にいいこと。