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2009年9月13日 (日)

『しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール』、香山リカ著、幻冬舎

目次
序章 ほしいのは「ふつうの幸せ」
第1章 恋愛にすべてを捧げない
第2章 自慢・自己PRをしない
第3章 すぐに白黒つけない
第4章 老・病・死で落ち込まない
第5章 すぐに水に流さない
第6章 仕事に夢をもとめない
第7章 子どもにしがみつかない
第8章 お金にしがみつかない
第9章 生まれた意味を問わない
第10章 “勝間和代”を目指さない

そんな多くを望んでいるわけではない、「普通の幸福」「普通の生活」さえ得られればいい、そう考える人は多い。が、そんな”ふつうの幸せ”の実感がなかなか得られない。そんなことについて書かれた本です。

サブタイトルにあるように、10個のルールについてそれぞれ1章ずつ、合計10章。

自分が勇気づけられた、そう考えてもいいのか、と思ったところの1つめは、第6章の「仕事に夢を求めない」の章。ちょっと引用してみます。

...ただ、「好きなことを仕事にしていない」「仕事で夢を追いかけていない」という人も、自己嫌悪に陥ったりその仕事をやめたりする必要はないのだ。「私は何のために働いているのか」と深く意味をつきつめないほうがよい。どうしても意味がほしければ、「生きるため、パンのために働いている」というのでも、十分なのではないだろうか。 人は、パンのために生きるにあらず。しかし、パンなしでは、愛の実践も夢の実現も不可能なのもまた事実だ。パンのためだけにどうしても嫌いな仕事につくことを強いられたり、雇用者に搾取され続けたりするのは問題だが、深い意味がなくても仕事をし続けるのは、それじたいではけっこう意味があることなのではないか、と思うのである。

この箇所は、最近、自分の仕事の関係について、必ずしもうまくいっていない自分にとってはなんか救われる感じがしたところです。

2つめは、第9章「生まれた意味を問わない」の章。

...私たちが「このために生まれた」と確信することは、まず無理と考えたほうがよいのだろう。それにもかかわらず、「何のために生まれたのか」と生まれた目的や生きる価値を追求し始めてしまうと、中村うさぎ氏が言うように「これでもない、あれでもなかった」とゴールの見えない無限のゲームのような状況に陥り、心身をすり減らしてしまうことになる。 追及すると厄介なことになる。かといって、追及しないでいるのもむずかしい。それが「生まれた目的、生きる意味」というもののようだ。

...こうやってみてくると、どう考えても「なぜ生まれたか」などという問いにはあまり深く立ち入らない方が身のためだ、ということになりそうだ。もちろん、だからといって、人生には生きる価値もないということにはならない。しかし、生まれた意味にこだわりすぎると、逆に、人生の空しさを強く感じさせられることにもなりかねない。 とりあえず自分に与えられている仕事、役割、人間関係に力を注ぎ、何かがうまくいったら喜んだり得意に思ったりすればよいし、そうでないときには悲しんだり傷ついたり、また気持ちを取り直して歩き出したりする。そんな一喜一憂を積み重ねながら、どこから来たのか、どこにむかっているのかもわからないまま、人生の道を歩いていくその足取りの中で、しみじみとした味わいや満足感が得られるのではないか、と私は考える。 とはいえ、この先も人間が「私は何のために生まれたのか」という問いから完全に解放されることはなく、私たちは人生の中で何回も何十回も何百回も、この問いに直面せざるをえないだろう。そこで無理に、「いやいや、考えまい」と考えを追い払う必要もない。そのときは、真剣にこの問いと向かい合い、ああでもない、こうでもない、と悩めばよいのだ。ただ、「本当の答えが出ることはない。逆に、これだ、という答えが出た時は危険なのだ」ということは、頭の片隅にとどめながら悩むべきだ、ということはつけ加えておきたい。

この人生は何のための人生か、この人生で何をすべきか、自分の人生でのミッションは何か、といったことを考えて、頭のなかでくるぐる回ってしまうことがあります。それに対して、香山さんは上記のように書いています。自分の人生でのミッションを明確にしなければならない、とちょっとあせりもあった自分に、”ねばならない”ということはないんだ、という意見をくれているのだと思い、これもちょっとホッとしたところでもあります。

そして、3つめは、第10章「“勝間和代”を目指さない」の章。

章のタイトルが(私たち)読者を刺激して、素敵です(笑)。勝間さんの本は発売されるたびに買い求め、講演会があると聞けば、足を運んでいる、そんな自分に向けられた章に思えてしょうがありません。そう、カツマーと呼ばれる人たちは、勝間さんの本なり講演なり教材なりから、勝間さんの成功体験を疑似体験し、それを自分の体験=成功に結び付けたい人たちになるのでしょう。この章は、そんなカツマーに対してのメッセージでしょうか。

...私は、「がんばれば夢はかなう」とか「向上心さえあればすべては変わる」といったいわゆる”前向きなメッセージ”を聞くたびに、診察室で出会った人たちの顔を思い出して、こう反論したくなる。「あの人はずっとがんばっていたのに、結局、病気になって長期入院することになり夢は潰えたじゃないか」「両親とも自殺して、育ててくれた祖父が認知症になっている彼女が、どうやって向上心を出せばよいのか」 努力したくても、そもそもそうできない状況の人がいる。あるいは、努力をしても、すべての人が思った通りの結果にたどり着くわけではない。これはとても素朴でシンプルな事実であるはずなのだが、まわりを見わたしてみると特に最近、そのことを気にかける人がどんどん減っているように思える。

がんばれる環境にある人が、自分の意志が弱くてがんばれないときにの言い訳になってはいけないと思うが、香山さんの主張も一理あると思います。また、勝間さんの『断る力』に対しては、

しかし、世の中には、殺到する依頼を勇気を出して断ろうにも、そもそも依頼じたいが来ない、という人のほうが多いのではないだろうか。

と返しています。最後に、この10章のまとめとそしてこの本のまとめとして次の文章で締めくくられています。

もちろん、そいういう”時の成功者”に「もしかしたら私も」と夢を見て、そのあこがれを日々のがんばりのモチベーションにすることじたいは、悪いことではない。とはいえ、いくら前向きな気持ちで努力したところで、才能、環境、タイミングなどに恵まれた成功者とまったく同じになるわけではない。 そもそも、本当にマスコミに登場している成功者のような人生を、すべての人が歩む必要があるのだろうか。さらには、成功者たちは、本当に雑誌やテレビが報じているようなすばらしい人生、悩みなき生活を送っているのだろうか。そのあたりも考えてみる必要があるだろう。 人生には最高もなければ、どうしようもない最悪もなく、ただ”そこそこで、いろいろな人生”があるだけなのではないか。だとしたら、目指すモデルや生き方がどれくらい多様か、というのが、その社会が生きやすいかどうか、健全であるかどうかの目安になると言えるはずである。

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コメント

この本は、ちょっと話題になってますね。
最近の「成功哲学」に対する
警告のような感じですね。

いろんな考えがあって、本当に人間ってすごいですね。
このバリエーションを楽しめるようになると、とても人間味みたいなのが増すような気がします。
(私は、ただいま修行中)


そうですね。

ある一面から見たり、考えたりばかりしていると、うまくいかないことが、見方を変えるだけで、考え方を変えるだけで、うまく回りだすことってあるとあるよなぁ、って思えます。

いろんな意見、考え方が学べるので、読書っていいですよね!

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